シリーズ第6作目は『だるまちゃんとてんじんちゃん』
ある日だるまちゃんは、釣竿とパンをもって魚釣りにでかけました。
だるまちゃんが針の先にパンを付けて池に入れると、しばらくして強いあたりがあったので、釣竿を引きましたがなかなか魚があがってきません。
通りかかったあおてんじんちゃん、きいてんじんちゃん、くろてんじんちゃんが手伝っていっしょに引っぱってくれますが、やがて糸はぷつんと切れてしまいました。残念!
てんじんちゃんたちは荷物を家に運んでいくところでしたので、だるまちゃんもいっしょにてんじんちゃんの家にいくことにしました。
家に着くと、だるまちゃんも手伝って、運んできたものをかたづけます。青い梅は洗ってかわかし、たきぎはきちんと積みあげ、牛の餌の草を切ってやります。
片付けが終わったら、米を洗っておかまに入れ、かまどでたきぎを燃して、ご飯を炊きます。炊きあがったらみんなでおにぎり作り。梅干し、青菜、たくあん、海苔。おにぎりがどっさりできました。
たくさんのおにぎりを包んで、棒でかついで出かけます。山道をのぼっていくと、その先の畑ではてんじんちゃんのお父さんとお母さんが畑仕事をしています。
そこでみんなでお弁当を食べることにしました……。
全国各地で親しまれている天神の人形をモチーフにした、だるまちゃんの新しい友だち、てんじんちゃんの一家は、いかめしい神様でもなく、いにしえの貴人でもなく、昔ながらの暮らしを楽しむやさしい人たちです。梅、牛、鳥のウソなど天神にまつわるいろいろなものも登場して、絵の細部まで楽しめます。